グレン・グールドの“驚異の音楽人生”を象徴する、この曲をいまこそ聴こう。

文:赤坂英人

20世紀を代表するピアニストであり、作曲家としても不世出の天才といわれるグレン・グールド(1932~82年)。彼が残した2パターンのJ.S.バッハ作曲『ゴールドベルク変奏曲』を収めた2枚組アルバム『Glenn Gould - A State of Wonder - The Complete Goldberg Variations 1955 & 1981』がリリースされた。 現在も高い人気を誇るグールドが、50歳という若さで亡くなってから早くも40年近くが経とうとしている。録音と電子メディアへの情熱、演奏会に疑問を呈して1964年にすべてのコンサート活動を中止した「コンサート・ドロップ...

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