ポール一本で宙に舞い、力強く「上昇」する。

文:吉田けい

まっすぐ垂直に伸びた金属製のポールに、そろりと足指を絡めたかと思えば、くるくると回転しながら登っていき、そのまま大きく開脚した状態で静止する。しなやかな動きを目で追っているうちに、ポールはしだいに存在感を消し、重力から解き放たれた身体が宙を舞っているように見えてくる。 いまや世界トップレベルのダンサーのひとりに数えられる 小源寺亮太 と、ポールダンスとの出合いは偶然だった。 「クラブイベントで男性のポールダンスを見たんです。その頃はアパレルで働いていましたが、ダンスは趣味で10代から続けていて。自分もやってみたいと思い、舞台から楽屋へ戻るダンサーさんを引き止め、その場でポールダンス...

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