「価格1円」の雑誌で、モノの価値を問いかける。

文:泊 貴洋

今年7月、全680ページの雑誌が「価格1円」で書店に並んだ。博報堂が1948年に広報誌として創刊し、同社のトップクリエイターが歴代編集長を務めてきた 『広告』 のリニューアル号だ。新編集長は、クリエイティブ・ディレクターの小野直紀。2015年にプロダクト開発チーム「monom(モノム)」を設立、個人でもデザインスタジオ「YOY(ヨイ)」を主宰。広告会社でモノづくりを行ってきた異色の経歴の持ち主だ。 「僕は本や雑誌をあまり読まない。『編集長をやって』と言われた時は『本気?』と思いました(笑)。ただ、この先、自分はどんなつくり手になるんだろう?と考え始めた時期で。自分のモノづくりの指針と...

続きを読む