【プロが薦めるいま読むべき3冊】文筆家・森一起が選んだ〈食と酒〉の本

写真:岡村昌宏(crossover)

ウイルスに翻弄された昨年、いちばんの貧乏くじを引かされたのは飲食業界に違いない。慣れないテイクアウトを始めたレストランや、この時期だけの酒販免許で大切なワインのストックを売るソムリエたちの姿を見守りながら、さまざまなメディアで「酒場やレストランの大切さ」を提唱し続けたひとりが、文筆家の森一起だ。 「酒場やレストラン、それにライブハウスや劇場。そんなものがなくたって生きていける人もいるかもしれない。僕はそんな人たちに説明する時、ロバート・フロストが詩を定義した文章を紹介するんです。『人がそれを忘れたら貧しくなるようなものを思い出すひとつの方法』、それはそのまま食と酒、そして音楽にも当て...

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