御年78歳、いまだ攻めます!軽いと見せて過激なセルジオの音。

軽くて楽しいブラジル音楽。悪口と思われるかもしれないが、これは最大限の褒め言葉だ。セルジオ・メンデスほど、軽やかで人懐っこい楽曲を生み出す音楽家はいないと思ってしまうほど、5年半ぶりの新作『イン・ザ・キー・オブ・ジョイ』は軽い。今の音楽シーンがディープな方向に向かっていることを思うと時代に逆行しているようだが、けっして懐古趣味ではなく現在進行系の音楽を作り上げている。 セルジオ・メンデスはブラジル音楽界の重鎮だ。1950年代よりピアニストとしての活動を始め、その後ブラジル'66というグループを率いて「マシュ・ケ・ナダ」や「ルック・オブ・ラブ」などの名曲を世界中でヒットさせた。...

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