駅の案内係もAIに交代、のはずが……⁉

文:河内秀子

1日に30万人以上が利用するベルリン中央駅。市内を縦横無尽に走る近郊列車はもちろん、都市間を結ぶ特急や国際列車の乗り入れもある7万㎡の広大な駅だ。窓口や案内所は常に長蛇の列で、列車遅延の際は混雑に拍車がかかる。そこで人員不足による対応の遅れを解決すべく導入されたのが、AI搭載の案内ロボット「セミ」だ。 「なにかお手伝いできることがありますか?」と気さくな口調で話しかけてくるセミだが、表情の不気味さ故か誰も近寄らず、相変わらず人間のスタッフの前に行列ができている。CO2削減に向けて公共交通機関の無償化が検討されるなど、鉄道の重要性が増す中、気さくに愛されるロボットとなるのか、はたまた奇策...

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