奇妙礼太郎は語りかけ、“なんでもない”あなたを肯定する。

文:力石恒元

数多くのライブへの出演やCMのテーマソングへの参加など、我々の生活圏内にそっと寄り添っている奇妙礼太郎。先ごろ、意外にもソロでメジャー初となるフルアルバムを発表した。表題曲にもあるのだが、日本人としてあまり慣れないセリフ「君はセクシー」を冠した本作は、素直に生きている人を肯定する人間讃歌、もとい〝ありふれた男讃歌〞を掲げている。奇妙礼太郎は「奇妙礼太郎」としてさらに何を体現しているのか―?  というのも、奇妙礼太郎という男はこれまで〝世帯主〞として、その才能と歌声を世に発信してきた。「奇妙礼太郎トラベルスイング楽団」は、ビッグバンドならではのポップな歌謡サウンドを披露し、惜しくも20...

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