日常と幻想を同時に描く、日本映画界の新星。

今年のカンヌ国際映画祭では是枝裕和監督が最高賞を獲ったことが記憶に新しいが、日本人でもうひとり注目を集めた者がいる。映画『寝ても覚めても』を監督した、濱口竜介だ。 「中学、高校時代はミニシアターブームで、タランティーノやウォン・カーウァイなどの映画に刺激をもらいました。ハリウッド映画ともテレビドラマとも違う映画を知ったのです」 東京大学の映画研究会で自主制作をスタートし、卒業後、映画の助監督や経済番組のADなどを経験。その2年後、北野武や黒沢清らが教授に就任して話題になっていた東京藝術大学大学院に入学した。 「作品を講評してもらうんですが、武さんには『もうちょっとわかる話つくんないとダ...

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