フランスで100万部の大ヒット、その理由を編み方の妙に見た。

髪の毛の物語だ。といっても、「髪は女の命」というようなお話ではない。3つの大陸に生きる3人の女性の物語、それも、大きな困難に直面した時に彼女たちがどうしたか?という物語だ。まったく違う社会、違う仕事、違う人生。だが、後半でそれらが三つ編みのように縒り合わされていくところが大きな見せ場だ。 著者のレティシア・コロンバニは映画監督で、監督作品にオドレイ・トトゥ主演の『愛してる、愛してない…』がある。なるほど、ちょっと仕掛けのあるオムニバス風の映画みたい、という表現がこの小説の枠組みを説明するのにちょうどいい。オムニバス風というのは、一話一話が独立しているわけではなく、絡み合う所が特徴だか...

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