「安楽死」を決断した母との、最後の晩餐が教えるもの『ブラックバード 家族が家族であるうちに』

文:細谷美香

【Penが選んだ、今月の観るべき1本】 医師である夫と、病気の進行により自由に身体が動かせなくなってきた妻リリーが暮らす、美しい海辺の家。安楽死を決意したリリーと最後の団らんをするために、長女一家と、しばらく連絡がつかなかった次女と恋人、リリーの親友がやってくる。スーザン・サランドンら実力派俳優の競演でデンマーク映画をリメイク。母の決断で家族の秘密と綻びがあらわになっていく過程が、スリリングに描かれる。愛する人の命の終わりを見つめる家族の戸惑いと衝突を通して、生きる意味を問いかける人間ドラマだ。 資本主義が生んだモンスターと、格差社会とをまざまざと暴く『グリード ...

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