不思議なカラダの物語は、男性優位社会の見方を変える。

本書は、カルメン・マリア・マチャドのデビュー作であるが刊行直後から注目を集め、全米批評家協会賞をはじめ数々の賞を受賞。『ニューヨーク・タイムズ』紙の選ぶ「21世紀の小説の書き方と読み方を変える女性作家の15作」のひとつにも選ばれた。収録された8つの短編は、キューバ系アメリカ人である「非白人」の女性で、同性の配偶者をもつマチャドが、社会に蔓延する差別を強く意識していることを思わせる内容だ。 たとえば収録作のひとつ「夫の縫い目」は、欧米に伝わる怪談「緑のリボン」を下敷きにしている。怪談では、ある夫が、結婚前から妻の首に巻かれていたリボンをほどきたがる。ところが、ずっと嫌がっていた妻のリボン...

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