アフリカ系アメリカ人作家が、鋭い眼差しで描く現代社会。

文:今泉愛子

【Penが選んだ、今月の読むべき1冊】 ガーナ移民の両親をもつアメリカ生まれの著者による初の短編集。有名紙で高く評価され、ショッピングモールの出来事を描いた表題作は映画化が決まった。無実の黒人少年を射殺した男性が無罪になった事件を題材にした作品では、差別する側の偏見と、される側の抑圧された感情が複雑に交錯し暴力に結びついていく様子を描く。遺伝子操作から生まれた子どもたちを描いた作品など、社会への鋭い風刺を盛り込む一方で、人物の個性を描き分け、味わいのある物語に仕上げている。 異星人と人間との交流を描く、韓国SF短編15編を収録。 グラフィックノベルで初、ブッ...

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