異才との出会いで燃え上がる、マレイの咆哮を聞け。

文:佐藤 渉

再びジャズが元気だ。ロバート・グラスパーら、ヒップホップ以降のジャズ。ケンドリック・ラマー「ToPimpaButterfly」などに見る、ヒップホップ側からの反応。1917年の誕生から100年を経てもなお、ジャズは新しい表現の起爆剤となりえている。  そんななか、ジャズのルーツを感じさせる骨太な一枚が登場した。70年代NYのロフトジャズシーンに現れ、豪快なプレイが魅力のサックス奏者、デヴィッド・マレイの5年ぶりの新作だ。  最初の一音から、グッと耳を持っていかれる。マレイの吹くテナーサックスは、力強くあたたかい。たっぷりと息を吹き込み豊かなビブラートを聞かせる中音、「バッ」と破裂音...

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