三世代の家族を通してチベットのいまを見つめる、『羊飼いと風船』。

文:細谷美香

【Penが選んだ、今月の観るべき1本】 放牧で生計を立て、三世代で暮らすチベットの家族。ある日、母ドルカルの妊娠が発覚。一人っ子政策と伝統の狭間で選択を迫られる。 作家としても活躍するチベット人監督、ペマ・ツェテンの日本初上陸作品。魂と現実の関係性を探求したかったと語る監督が、伝統と近代化の狭間で揺れる家族の姿を見つめた。移り変わる時代の中ですれ違うそれぞれの思いが、美しい草原と青空とともにスケッチされている。 『市民ケーン』の脚本家を描いたNetflixオリジナル映画『Mank/マンク』は、古くて新しい傑作! 詩的な言葉と映像が織り成す、 破滅的なラブスト...

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