人の愚行が害悪をもたらした、 衝撃的な7つの科学的事例。

文:今泉愛子(ライター)

【Penが選んだ、今月の読むべき1冊】 科学の分野は、人間が知識や経験を蓄積することで進化し続けている。その科学に対する信頼に冷や水を浴びせるのが本書だ。35年間にわたりワクチンの研究を続け、科学の力と限界を知る著者は、人間が運用を間違えたために利益よりも遥かに多くの害悪がもたらされた7つの科学的事例を紹介する。内容はまさに驚くべきものだ。 たとえばマーガリンはバターの代用品として生まれたが、それはアメリカ人最大の死因である心臓病が、脂肪やコレステロールの少ない食生活に移行することで回避できるというもくろみからであった。安価なこともあり大ヒットしたが、心臓病の発症率がさらに上昇...

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