LGBTQカルチャーのレジェンド、Tom of Finlandの日本初個展で性的マイノリティの権利について考える。

文:中島良平

筋骨隆々の身体にレザージャケットとピチピチのデニム、白いタンクトップをまとい、ときには頭にポリスキャップを。いまやステレオタイプのひとつとなったゲイの姿をビジュアル化して広めたアーティスト、Tom of Finland(1920-1991)の個展が日本で初めて開催される。 フィンランドに生まれたTom of Finlandことトウコ・ラークソネン。ピアノや絵を愛する芸術家志向の彼が第二次世界大戦で従軍し、そこで初めて恋をした相手が同じく軍に所属するパイロットだった。終戦を迎え、ラークソネンは昼に広告会社で働き、夜は自室にこもって戦場で出会ったたくましい男たちの絵を描き続けた。同性愛が...

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