夜の無人島をさまよう、暗闇のアートプログラム。東京湾に浮かぶ猿島で感覚を研ぎ澄ませ。

写真・文:中島良平

東京湾に浮かぶ唯一の自然島、猿島。かつて要塞として利用されたこの無人島で、夜のアートプログラム『SENSE ISLAND -感覚の島- 暗闇の美術島』がスタートした。ライゾマティクス・アーキテクチャーの齋藤精一がプロデューサーを務め、12組のアーティストが参加する。 夕暮れ、日露戦争で旗艦を務めた戦艦「三笠」が保存公開されている三笠公園の桟橋で受付を済ませ、猿島へ向かう船を待つ。『SENSE ISLAND』のプログラムは、この時点でもう始まっている。やがて夜の海を進み、風と夜気を感じながら猿島へ。所要時間は10分ほどだが、猿島の桟橋に降り立つと日常から切り離された空間にやってきたこと...

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