スリリングな思索空間を堪能できる! 「静かに狂う眼差し――現代美術覚書」展が開催中です。

文:坂本 裕子

第二次大戦後の現代美術の主要な作品の所蔵で知られるDIC川村記念美術館。その収蔵品を新しい視点で紹介する「コレクション Viewpoint」として、刺激的な展覧会が開催されています。 戦後、モダニズムから追求された絵画の本質は、ジャクソン・ポロックやアド・ラインハート、フランク・ステラらを生み出し、アメリカ美術のひとつの到達点とみなされました。絵画は完結したとされ、アートはそれ以外の表現手段へと多様化します。それでも、改めてその可能性がいわれる現代、「死なない絵画」を標榜し、思索と独自の言葉の構築を続けてきた美術史・美術批評家 林道郎が、コレクションから現代絵画約90点をセレクトし、...

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