国外での全20点公開は世界初! 壮大な「スラヴ叙事詩」に画家・ミュシャが求めたものとは?

文:坂本 裕子

19世紀末アール・ヌーヴォーのパリ、美しい女性を植物や細やかな装飾とともに描いたポスターや挿絵で、時代の寵児となったアルフォンス・ミュシャ。金銀を多用し、当時関心が深まっていたスラヴのエッセンスを散りばめた、ロマンティックな造形を持つ彼の作品は、日本でも大人気です。ただ、その名声よりも、彼が本当に目指したのは、祖国や民族を謳う「絵画」でした。50歳で故郷モラヴィアに帰り、約16年間心血を注いだのは、古代から近代に至るスラヴ民族の苦悩と栄光の歴史を表した《スラヴ叙事詩》です。縦約6メートル、横8メートルの壮大な歴史と寓意の油彩画は、なんと20点! そのすべてが、六本木・国立新美術館に来日...

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