「建物としての自画像」を表現した壮大なインスタレーション『マーク・マンダース —マンダースの不在』

写真・文:中島良平

「建物としての自画像」というコンセプトで、架空の芸術家として「マーク・マンダース」と名付けた人物像を立体作品や家具、空間などを融合させて作品化する現代アーティスト、マーク・マンダースの個展が東京都現代美術館で臨時休館を経て再開した。回廊状の展示室内には、木材と薄いビニールのシートを組み合わせて架空のスタジオを生み出し、建物に置くためのオブジェや家具などそれぞれが独立した作品でありながら、展示全体がひとつにまとまることで壮大なインスタレーションとして展開する。 緻密に構成された立体作品が単体で魅力を放っているのはもちろんのこと、空間全体のつながりから、ファンタジーに迷い込んだような、そ...

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