会期は残りわずか! 尾形光琳の国宝『燕子花図』と鈴木其一の『夏秋渓流図』で、初夏を楽しみましょう。

文:坂本 裕子

東京・根津美術館で恒例の展覧会、同美術館が誇る国宝、尾形光琳の『燕子花図屏風』が展示中です。今年は、昨年サントリー美術館で大きな個展が開催され、近年評価が高まっている鈴木其一の『夏秋渓流図屏風』とのダブル展示とあって話題です。琳派の傑作が時を超えてそろい踏み、というわけです。 京都の高級呉服商で豊かな文化環境に育ち、江戸初期の文化人、本阿弥光悦と俵屋宗達に私淑し、彼らの雅をより装飾的に洗練させて、後の「琳派」の名称の元になった尾形光琳。そのモダンなデザイン性は多くのクリエイターを魅了し、絵画にとどまらず、工芸の諸分野にわたって、現代にまで継承されています。 その光琳に惚れ込んで、彼...

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