“芸術”だから価値をもつ、ウィーンの画家エゴン・シーレの作品がスウェットシャツに。

文:高橋一史

2020年を迎えて、昨年のファッションを振り返った時、真っ先に頭に浮かぶキーワードは「コラボレーション」だ。特に多かった印象があるのが、「アーティストとのコラボ」である。ただこのアーティストという特殊な職業は、近頃かなり拡大解釈されているように思う。ファインアートの作家でも、本業がイラストでも、DJでもアイドルでも、コラボの場面では一様にアーティストと括られる。よほどの著名人でもない限りそもそもの作風がわからず、コラボの意義を判断しにくいケースも少なからず。汎用化した“アート” と厳選された“芸術” を、そろそろ使い分ける必要に迫られているのかもしれない。 ここに紹介するスウェットシ...

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