「人間」がいちばん難しいから、25年描き続ける。

文:岩崎香央理

アーティスト・ 加藤泉 の個展『LIKE A ROLLING SNOWBALL 』が、 原美術館とハラ ミュージアム アーク で同時開催中だ。加藤は1990年代半ばから一貫して、人の顔とかたちをモチーフに油彩や彫刻を発表してきた。原美術館では新作約30点が、ハラ ミュージアム アークでは初期作から近作までの約140点が展示され、2館を巡れば、25年間におよぶ表現の全容をたどることができる。 「25年って、意外とこんなものかという思いと、飽きずによくやってきたなという思いがある」。制作途中の彫像が並ぶ都内アトリエで、彼は言った。 「自分では更新しながらここまでやってきたつもりでも、こ...

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