ありのままの自分が、絵筆を握ると姿を見せる。

文:新谷洋子

藤井フミヤが画家でもあることは、秘密でもなんでもない。だがその全貌を知る人は、かなり限られているのではないかと思う。なにしろ最後に個展を行ったのは2003年。8月後半に始まる『Fumiyart 2019 藤井フミヤ展 The Diversity』は、その16年間の空白を埋め、音楽に目覚める前から絵に夢中だったという彼のビジュアル・アーティストとしてのスケールを、多くの人に知らしめることになるだろう。 「小学生の頃は、図工の成績だけがずば抜けてよかったんです。あとはどうってことはなくて。賞状は絵でしかもらったことがないし、もともとそういう道に進むのかもしれないと思っていた。でもバンドを...

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