泥やマスキングテープで、平面から立体を生み出す。

泥や、マスキングテープを貼った上にマーカーで描くなど、自由な発想で独自の世界を生み出す淺井裕介。彫刻の森美術館での個展では、新しい試みにチャレンジしている。そのひとつが泥絵を描いたパネルの展示だ。これまでは展覧会ごとに壁に直接、泥絵を描き、終了後は消してしまっていた。今回は、以前の展覧会で描いた泥絵のパネルを持ち込み、パネルの組み合わせを変えて展示している。 「消してしまうから描ける線や、消えてしまうものだけがもつ強さがあると思う。それを知った上で、今回は前に描いたものを組み換えることにしています。残ったものを取り込んで新しいものと混ぜることで、消すこととは違う形で残すことの意味を考...

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