作品が起こすハプニング、その理由を考えるのが好き。

時折、音をたてて動いたり光ったりする謎の物体。よく見ると、機械や日々使う道具などを分解して組み立てたもの。このオブジェはアーティスト、毛利悠子の作品。場の特性を考慮したサイトスペシフィックなものが特色だ。 「建物や空間の特徴を観察して自分なりに深めていき、そこでしかできないものをつくります。その部屋とコラボレーションすることから始めるんです」  たとえば、2014年の札幌国際芸術祭では1880年、明治天皇の休憩所としてつくられた清華亭という歴史的建造物が舞台になった。そこでアートを見ながら過ごすことで、歴史や建物への理解や興味がわいてくる。  毛利の作品は、無機物でできていても生きて...

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