ものづくりの根源は、見えないものへの想像力。

久保ガエタンが6歳の時に亡くなった曽祖父は第二次世界大戦時、駆逐艦に乗っていた海軍の軍人だった。長じてそのことを知った彼は曽祖父について知るべく、調査を開始する。「日本人の父とフランス人の母をもつ自分のアイデンティティやルーツを探求したい、過去を知りたいという思いもありました」と久保は言う。  調べると、曽祖父が乗っていた駆逐艦「梨」は終戦直前に米軍が撃沈、鉄くずとして再利用するため9年後に引き上げられたが状態がよかったため修理され、自衛艦として1972年まで使用されたことがわかった。個人のルーツを探ったら、思いがけない軍艦の歴史が浮かび上がってきたのだ。ICCで開催中の久保の『破壊...

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