いまも鮮烈なインパクトを放つ至高のグラフィック。「カッサンドル・ポスター展」で出合う、デザインの真髄。

⽂:坂本裕⼦

近代化で機械と大量消費を迎えていた1920~30年代に、フランスでグラフィックデザイナーとして活躍したカッサンドル。 洗練されたシンプルさ、フォントも印象的なポスターは、いまなおそのインパクトで鮮烈な衝撃を与えます。20世紀最大のグラフィックデザイナーといわれる彼の、およそ20年ぶりの個展「カッサンドル・ポスター展」が埼玉県立近代美術館で開催されています。 展示作品は、ファッションブランド「BA-TSU」の創業者でデザイナーであった故・松本瑠樹のコレクション。彼の収集は、都度、状態のよいものに買い替えてきたというポスターにとどまらず、代表作の原画を含み、その希少価値はフランスがうらや...

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