ネーデルラントが生んだふたりの天才奇想画家、ブリューゲルとボスに出逢える「バベルの塔」展を見逃すな!

文:坂本 裕子

かつて世界は同じ言葉を使い、同じ言語で話していました。東方から移動してきた人々は、シンアルの平地に至り住み着きます。そこで煉瓦を焼いて石の代わりに、アスファルトを漆喰の代わりに、「天まで届く塔のある町を建てて有名になろう。そして全地に散らされることのないようにしよう。」と計画します。これを見た神は、こんなことを始めたのはひとつのところに集まり、ひとつの言葉を話すせいだ、と彼らの言葉を混乱させ、人々を全地に散らしたので、塔の建設は中断しました。言葉の混乱(ヘブライ語のバラル)の原因となった塔は「バベル」と呼ばれるようになりました――。 旧約聖書にある人間の傲慢を罰した神のエピソードは、...

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