70周年を機に、芸術運動「コブラ」を知る。

文:ユイ キヨミ

第2次世界大戦の終結から間もない時期、ヨーロッパで「コブラ(COBRA)」という前衛的な芸術運動が巻き起こった。名称は、運動を主導した作家たちがそれぞれ拠点にしていたコペンハーゲン、ブリュッセル、アムステルダムの頭文字をつなげたもの。その誕生70周年を記念する特別展『コブラ70:多頭の蛇』が、アムステルダム近郊のアムステルフェーンにあるコブラ美術館で開催されている。 西洋の合理性への批判や原始的な創造力を信条とし、デフォルメした作品などを多数発表。活動期間は1948~51年と短かったが、のちに大きな影響を与えるものだった。本展は、コブラの旗手カレル・アペルの抽象絵画を中心に、奔放な芸術...

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