建築家・安藤忠雄が語る、イサム・ノグチ像とは?──『イサム・ノグチ 発見の道』展

文:川上典李子 

20世紀を代表する芸術家、イサム・ノグチの展覧会。さまざまな出会いを重ねながら晩年の石彫に至る探究の道行きが、会場全体を通して浮かび上がる。どんなアーティストであったのか。ノグチと親交のあった建築家・安藤忠雄が語った。 「厳しい、けれど優しい目でした」安藤忠雄のイサム・ノグチとの出会いは1960年代末、準備が進む大阪万博の会場だった。ノグチは丹下健三に噴水彫刻を依頼されていた。 「当時の私は建築の修業中の身。スター建築家と肩を並べて颯爽と歩くイサムさんの姿を遠巻きに眺めるばかりでしたが、その目が強く印象に残りました。言葉を交わせる間柄になったのは80年代、三宅一生さんの...

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