鬼才フランシス・ベーコンが遺した秘蔵の130点が、いよいよ松濤美術館に。

文:赤坂英人

【Penが選んだ、今月のアート】 歪んだ動物のような人や、閉ざされた空間の中で絶叫する男など、おぞましいとさえ思える絵画も描き、ピカソと並び20世紀を代表する画家と言われるのが、フランシス・ベーコンだ。 彼は1909年アイルランドのダブリンで生まれた。子ども時代から病弱で、17歳で学校をやめている。母親の洋服を着ているのを父親に見つかり、勘当されてロンドンに移った。18歳の時、親戚に連れられてベルリンに滞在。同性愛者に寛容なベルリンの文化に刺激を受けたという。その後パリに移り、独学で絵画を学んだ。第2次世界大戦が終わると、衝撃的な具象絵画を発表し、美術界に本格的にデビューした。...

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