震災に正面から向き合い、アートの意味や役割を問う展覧会『3.11とアーティスト:10年目の想像』。

文:赤坂英人

【Penが選んだ、今月のアート】 茨城県の水戸芸術館現代美術ギャラリーで、非常にジャーナリスティックな展覧会が始まった。『3.11とアーティスト:10年目の想像』展である。「3.11」、この数字は多くの日本人にとって、忘れることができない日付を表している。「東日本大震災」が起きた日だ。2011年3月11日、14時46分頃、三陸沖の深さ24kmを震源とする地震が発生した。マグニチュードは9.0。それは国内観測史上最大規模であり、20世紀以降では世界で4番目の巨大地震であった。その後の人々を襲った大津波。東京電力福島第一原子力発電所のメルトダウン。東日本大震災の被害は甚大で、震災から...

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