アジアの視点で見た、ミニマル・アート展。

文:葛西玲子

ナショナル・ギャラリー・シンガポールとアートサイエンス・ミュージアムという、シンガポールを代表する美術館で2館同時開催する展覧会『ミニマリズム:空間、光、オブジェ』が圧巻だ。 1960年代にアメリカを中心に始まったミニマル・アート周辺の作品を幅広く展示。ドナルド・ジャッドや李禹煥(リー・ウーファン)などの代表的作家からアニッシュ・カプーアやオラファー・エリアソン、ソピアップ・ピッチなど現代の作家まで、作品数は150点以上におよぶ。また、「禅」などアジアの思想や哲学がアートに与えた影響を探る内容になっているのも興味深い。東南アジア地域で初というミニマル・アートの大規模展。これは見逃せない。

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