私たちに多くの恵みをもたらしてきた海。
日本において半世紀以上にわたって海の研究を推進してきたのが、
「JAMSTEC(海洋研究開発機構)」である。
ここに所属する研究者たちは「海はまだまだ未知の世界」と口を揃える。
スマホで世界中の地図にアクセスできる現代になっても、
世界中の海底地形はほとんどが未知の領域のまま。
深海では今日も新しい生物が発見され、海底には多くの資源が広がり、
北極の気候は、いままでの暮らし方に警鐘を鳴らしている。
海はあまりに広く、そして深い。ゆえに海洋研究に終わりはない。
私たちは海をどこまで理解できたのだろうか?
その最新レポートをお届けしよう。
目次
Pen特別編集 海洋研究の最高峰、JAMSTECに潜入
君はまだ、海を知らない
- [特別描き下ろし漫画]
「深海へ」五十嵐大介 - 第一特集 海
- 我々の祖先は、海底から生まれた
- 数字で読み解く、広く深い海の世界
地球のシステムを探る、海洋観測のアプローチ
日本の造船技術と観測経験を活かした、
北極調査を視野に入れた最新の研究船
世界の研究者が乗船して、北極域の謎を解き明かす
目的に応じて建造された、個性豊かな研究船
いまなお進化を続ける、深海探査のパイオニア
海中・海底で手足となる、最先端の無人探査機
日本の海は、なぜこんなに豊かなのか - 深海に息づく、
幻想的な生物たちの世界 - [Focus]
五十嵐大介(漫画家)×高井研(JAMSTEC超先鋭研究開発部門 部門長) - 第二特集 深海
- 未知への好奇心と技術革新こそが、
深海探査・研究の原動力 - 世界最深、マリアナ海溝とは
どんな場所なのか? - 日本は4つの海底資源が見つかる、世界唯一の国
- 深海の神秘
- 深海底にいる微生物も、我々とつながっている
- [Focus]
伊与原 新(小説家) - 第三特集 地震と海底
- 地震はなぜ起こる?
そのメカニズムに迫る - 南海トラフで静かに進む、「ゆっくり滑り」の観測システム
巨大地震発生の仕組みに、「JFAST」が切り込む - 第四特集 サステナブル
- 対談 小林武史(音楽家)×大河内直彦(JAMSTEC海洋機能利用部門 部門長)
サステナブルな社会に向けて、
「海」の果たす役割を知る - 深海底には、プラごみのたまり場がある
地球の双子をつくるスパコン、「地球シミュレータ」
潮の流れや水温を察知、「海中天気予報」の必要性
未来の気候や季節不順を、海の動きから予測する
北極を知ることが、温暖化を知る第一歩 - [Focus]
松田詩野(プロサーファー)×松岡大祐(JAMSTEC付加価値情報創生部門 地球情報科学技術センター上席研究員) - 日本の海洋科学を支える、
JAMSTECの研究拠点 - 研究施設の訪問で、海への興味が広がる
海洋調査・研究の最前線を担う人々
子どもが目を輝かせる、海のSTEAM教育