MARNI / マルニ

2020-21年 秋冬 メンズ・コレクション

ノンシャラン（無頓着）という言葉がお似合いと感じるのは、ルーズなビッグシルエットのせいだろうか、シャワーを浴びたような髪型をした個性的な顔つきのモデルの印象からだろうか。オーセンティックなディテールをもつ見慣れた服のプロポーションが大胆に大きく、または小さく変更され、２着の服が１着に融合している。素材にはダメージ加工が施され、あたかも存在するはずのない古着のようだ。さらにスモーキーパステルとネオンカラーの色彩が、秋冬の男性服の概念を切り崩す。ここには９等身のファッションモデルでなく、様々な外見の人が着るリアリティがある。同時に繰り広げられているのは、装いの意味をも見つめ直すコンセプチュアルなデザインの数々だ。