※写真はイメージです。 火星の地表に、まるで何かが歩いた跡のように見える不思議なくぼみが見つかった。NASAの火星探査車「キュリオシティ(Curiosity)」が撮影したもので、幅広く浅い形状が特徴だ。
14年にわたって火星を探査してきたチームも、これまで観察してきたものとは異なる特徴に注目している。一体この小さなくぼみは、どのようにして生まれたのだろうか。
火星を14年探査するキュリオシティが撮影
発見の舞台は、火星のゲール・クレーター(直径約154kmの巨大なクレーター)の中央部にそびえるシャープ山だ。キュリオシティは2012年に火星へ着陸して以来、この地域の岩石や地層を調べてきた。
今回の画像が撮影されたのは2026年8月19日。探査車のロボットアーム先端に取り付けられた接写カメラ「MAHLI(Mars Hand Lens Imager)」を使い、岩盤にできた直径約1cmのくぼみを捉えた。NASAは9月3日に公開した探査活動報告で、この地形を紹介している。
注目されたのは、ひとつのくぼみだけではない。同じ週に調査した複数の地点で、岩盤に幅広く浅いくぼみが点在していることが確認された。
通常のくぼみとは何が違うのか?
火星の岩石にくぼみができること自体は、珍しい現象ではない。岩石の中に含まれる周囲より風化に強い小さな塊や小石が、長い時間をかけて周囲の岩石から抜け落ちると、その跡に空洞が残ることがある。
ところが、今回のくぼみは、これまで観察されてきたものよりも幅広く浅い。さらに、内部にあったと考えられる小石など、くぼみの形成を説明できそうな物体も見当たらなかった。探査チームは接写カメラとマストカメラで複数の角度から画像を収集し、くぼみの立体的な地形モデルの作成に向けた調査を進めている。
火星に生物の痕跡? それとも未知の地質現象?
「足跡」のような形状は想像をかき立てるが、今回の発見は生物の存在を直接示すものではない。現時点では、くぼみがどのように形成され、いつから存在しているのかは分かっていない。
地球から遠く離れた火星では、長年にわたる探査が続く今も、説明のつかない地形が見つかる。今回のくぼみの形成過程を解き明かす手がかりが得られるか、今後の分析が注目される。
Curiosity Blog, Sols 4988-4994: More New Tricks for an Old Dog: Written by Michelle Minitti, MAHLI Deputy Principal Investigator Earth planning date: Friday, Aug. 21, 2026 After Curiosity’s 14 years on the surface, Mars continues to surprise. Both of our… https://t.co/t3MJB9U1M3 https://t.co/I2j2W7KXm8
— Elysia Segal (@elysiasegal) September 3, 2026