【映像】「恥を知れ!」国会議員が首相代行に卵を投げつける瞬間、議会は騒然…一体なぜ?

  • 文:宮田華子
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写真はイメージ(Shutter Stock)

国会議員が、議場で首相代行に卵を投げつける――。そんな驚きの瞬間を捉えた動画が、コソボから世界に拡散している。

映像に登場するのは、暫定首相アルビン・クルティと、野党「コソボ未来のための同盟(AAK)」のタイム・カドリジャイ議員だ。8月8日、首都プリシュティナの国会での議論の最中に突然起こったことだった。

「恥を知れ!」バッグから卵を取り出し、投げた議員

映像には、カドリジャイ議員がバッグから卵を取り出し、「恥を知れ」と叫びながらクルティ首相代行に向かって投げる姿が映っている。周囲にいた議員や警備担当者が駆け寄ると、議場は一気に騒然となった。その後、議長代行が審議を中断した。

一見すると突発的な騒動に見えるが、背景にはコソボで続く政治的な行き詰まりがあった。この日の議会では、6月の総選挙を受け、新たな議会を正式に発足させるための手続きが進められていた。

「もう少し時間が必要」発言に反発

クルティ率いる左派政党「自己決定運動(VV)」は、6月7日の総選挙で第1党となった。しかし、単独で過半数を確保するには至らず、他党との協力が必要な状態だった。

議会が再び動き出すためには、複数政党の協力が欠かせない。この日、クルティは議会議長の候補者を提案する前に、「他党との協議にはさらに時間が必要だ」と説明し、合意に至るための時間を求めていた。これにカドリジャイ議員が反発。卵を投げるという抗議行動に出たのである。

選挙を繰り返してきたコソボ

コソボでは、2025年2月の総選挙後、各党が過半数を確保できず、政権の発足が難航。議会も新たな議長を選出できない状態が続き、政治的な膠着が長期化した。その後、政権形成をめぐる行き詰まりから同年12月にも総選挙が行われたが、事態は解消されず、26年6月には3度目の総選挙が実施された。わずか1年半ほどの間に3度も国政選挙が行われたことになる。

加えて、大統領選をめぐる対立もあった。26年4月には大統領を選出できないまま議会が解散され、6月に総選挙。選挙後も新議会の発足や新政権の形成をめぐる対立が続いた。

しかしこの「卵投げ騒動」の後、8月31日にはVVと野党の民主同盟(LDK)が大統領候補を支持することで合意。約2年に及んだ政治的行き詰まりを打開する動きがようやく出てきた。

今回の「卵投げ騒動」は、こうした長期にわたる政治的対立が、議場で直接的な抗議行動となって噴き出した一場面として国際的な注目を集めることになった。

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卵投げの瞬間 @PoliticsGlobal – X

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卵投げの瞬間 @guardiannews - Youtube

宮田華子

ロンドン在住ジャーナリスト/iU情報経営イノベーション専門職大学客員教授

アート・デザイン・建築記事を得意とし、さまざまな媒体に執筆。歴史や潮流を鑑み、見る人の心に届くデザインを探すのが喜び。近年は日本のラジオやテレビへの出演も。英国のパブと食、手仕事をこよなく愛し、あっという間に在英20年。

宮田華子

ロンドン在住ジャーナリスト/iU情報経営イノベーション専門職大学客員教授

アート・デザイン・建築記事を得意とし、さまざまな媒体に執筆。歴史や潮流を鑑み、見る人の心に届くデザインを探すのが喜び。近年は日本のラジオやテレビへの出演も。英国のパブと食、手仕事をこよなく愛し、あっという間に在英20年。