ビームスジャパンの鈴木修司です。今月の旅先は、かつての“紀伊の国”、和歌山県です。何年ぶりかの和歌山行きでしたが、今回は新幹線と在来線(特急くろしお)を乗り継ぎ、和歌山駅でクルマを手配して、紀伊半島をぐるりと周る予定です。
和歌山でラーメン、名城、地酒を堪能
初日は、和歌山市近郊で商談があるのですが、昼と夜の食事は決めておらず、列車の中で仕事をこなしつつも、合間に和歌山駅周辺のお店を調べます。一通り目星も付けれたところで、和歌山駅に到着します。まず向かったのは、駅ビルの地下街にある和歌山ラーメンの「丸美商店」さん。期待通りの正統派な味で、幸先よいスタートを切ることができました(ちゃっかり和歌山名物の鯖寿司も頂きます)。
クルマで向かった大切な商談も無事に終えて、足早に市内に戻ってきましたが、なんとか日暮前に和歌山城に登ることができ、かつて殿様も見たであろう美しい夕暮れを堪能できました。私が説明するまでもないですが、和歌山城は天下の名城のひとつで、豊臣秀吉の弟、豊臣秀長が築城し、その後には徳川御三家の紀伊藩の居城ともなる要所です。短時間の滞在でしたが、往時の繁栄を十分に想像でき、この地にある理由も改めて理解できました。特に江戸時代での話ですが、経済と政治の中心であった大阪と東京を繋ぐ海路の極めて重要な港を中心にした場所にあり、そのためにあらゆるものが集まる大都市でもあったのです。
まだまだ気になる和歌山なので、夕食がてらに街を散策です。いくつか目当ての店があったですが、こちら「多田屋」さんの好み過ぎる佇まいに惹かれて、無意識に暖簾をくぐっていました。勘は的中で、これぞ名店と感じさせる、コの字型のカウンター、手書きのメニュー看板、海山問わない豊富な酒の肴、テキパキとした熟練スタッフ、すべてが揃った名居酒屋でした。酒屋直営のお店と聞けば、和歌山の地酒を堪能しない訳にはいきません。駅のすぐ傍なので、和歌山に行かれる際はなにかしらでも寄られることをオススメいたします。
まるで天国のような南紀白浜
翌日もクルマで一路南下し、目指すは憧れの「南紀白浜」の白浜町です。実は40年も遡り小学生以来の再訪でしたが、当時の記憶通りに白い砂浜が大きく広がっていました。最近は外国人観光客でかなりの賑わいを見せているようですが、個人的にはもっと日本人が訪れるべきと思います。その理由として、もちろん白浜ならではの白く美しいビーチでの“のんびり時間”がなによりの贅沢だからですが、それ以外にもオススメしたい場所がたくさんあります。
まず、日本随一の奇才天才の南方熊楠の出身地であることから、「南方熊楠記念館」を強くオススメしたいです。南方熊楠のことについては語るまでもないですが、この地だからこそ感じて学べる素晴らしい場所です。生涯や歴史から、研究内容、交流関係まで幅広く識れ、そもそも建物と立地が興味深くて素敵で、ミュージアムショップのグッズがファン心をくすぐるものばかりです。館の屋上から眺める圧巻の景色も合わせて、存分に楽しめること間違いなしです。
ほかにも、なぜかエレベーターで降りることのできる「三段壁」と呼ばれる断崖絶壁などの景勝地もあり、もちろん海水浴場も多数、加えて関西有数の温泉地でもあるので、リゾート地として申し分ない地域です。
実は白浜での目的といえば、敬愛する居酒屋探訪家の太田和彦さんが名店として長年推している「長久酒場」さんに伺うことでした。日暮前に入ることができたので、運よくカウンター席の端に通していただきました。この日もかなりの酷暑であったので、身体と頭の火照りを収めるべく冷えたご当地ビールと刺身盛り合わせてを頂いたのですが、これが美味いのなんの……沁みました。暑さも和らいできたその後は、この店特有のカウンターでの網焼を頂き、名物のクジラと地酒を堪能させて頂きました。さすがに燗酒までは行きつけなかったので、また季節を変えての再訪を心に誓います。
夕暮れでほのかに赤く染まったビーチを歩きながらに旅館(別荘を改築したという「万亭」も素晴らしかった)への帰途に着いたのですが、なんとも美しく美味しい白浜でのひと時でした。やはり、古くから日本屈指のリゾート地である「南紀白浜」、天国に近いような素晴らしい場所でした。

BEAMS JAPAN クリエイティブディレクター
1976年、三重県松阪市生まれ、ビームスと同い年です。年間120日近くを旅に費やし、日本各地の様々な場所で魅力的なモノ・ヒト・コトに関わる仕事をしています。肩書きは“BEAMS JAPAN”のクリエイティブディレクター、日本に関係することあれば比較的なんでも来いのスタンスです。大学などで講師を務めることも。『銘品のススメ』著者、『都道府県おでかけ図鑑』監修。
1976年、三重県松阪市生まれ、ビームスと同い年です。年間120日近くを旅に費やし、日本各地の様々な場所で魅力的なモノ・ヒト・コトに関わる仕事をしています。肩書きは“BEAMS JAPAN”のクリエイティブディレクター、日本に関係することあれば比較的なんでも来いのスタンスです。大学などで講師を務めることも。『銘品のススメ』著者、『都道府県おでかけ図鑑』監修。