トルコ北西部の山々に囲まれた谷間に、まるで「おとぎの国」から抜け出したような城が数百棟並んでいる場所がある。白い外壁に尖った塔、アーチ型の窓は童話の挿絵で見たことがある「お城」そのものだが、それが果てしなく並んでいる。
一瞬「テーマパーク?」と思うかもしれない。しかしここには楽しげな雰囲気も、人の気配もない。
この「奇妙なおとぎの国」は、トルコ・ボル県ムドゥルヌ近郊の「Burj Al Babas(ブルジュ・アル・ババス)」と呼ばれる開発地だ。外国人富裕層向けの高級住宅地として計画されたものの、工事が止まったままの状態で放置されている。現在、巨大なゴーストタウンとなり、別の意味で話題となっているのだ。
「自分だけの城」を売るリゾート
開発を手掛けたのは、トルコの不動産開発会社・サロットグループ(Sarot Group)。2011年に最初の建設許可を得て、その後732棟のシャトー型住宅を建てる計画へと拡大した。主な顧客として想定されたのはクウェート、サウジアラビア、バーレーンなど湾岸諸国の富裕層だった。価格は1戸約37万~50万ドルで、各住宅には床暖房やジャグジー、温泉水を利用したプールなどが計画されていた。
周辺は古くから温泉地として知られるムドゥルヌ。ホテルやトルコ式浴場、ショッピング施設なども整備し、夏の暑さが厳しい湾岸地域から訪れる人々のための高級リゾートにする構想だった。
一方、地元では当初から歓迎一色だったわけではない。ムドゥルヌにはオスマン時代の木造住宅などが残っており、地域の伝統的な景観とは大きく異なるシャトー群に、住民から批判の声が上がった。温泉資源の利用や環境への影響を問題視する住民もいたという。
工事は途中で止まり、城だけが残った
建設は2014年に始まったが、2016年ごろから現場の動きが鈍り始めた。販売不振や経済情勢の悪化などが重なり、なんとサロットグループは2018年に破産。732棟の計画のうち587棟まで建設が進んだところで、プロジェクトは停止した。
購入者の中には、すでに代金を支払っていた人もいる。2024年に英紙「Guardian」が取材したクウェートの購入者は、2015年にこの計画を知り、約29万ドルで1棟を購入したと語っている。英国留学中に城やカントリーハウスを訪ねるのが好きだったこともあり、「城のような別荘」という構想に魅力を感じたという。
2024年には、クウェート首長とトルコ大統領が会談し、その席でこの開発地についても話題になったと、クウェートの購入者たちは伝えられたという。ただし、会談の詳細は公表されていない。
いまも谷間に残された城の残骸
2026年現在、Burj Al Babasには居住者の姿はなく、587棟の建物はいずれも居住できる状態にはなっていない。建物の外観が形になっている一方、内部が未完成のものも多く、予定されていたホテルやショッピング施設も完成していない。
遠くから見れば、白い塔が連なる光景は確かに美しい。しかし近づけば、そこにあるのは人々が暮らす街ではなく「ゴーストタウン」だ。
現在も開発再開の可能性は残されているものの、その目途は立っていない。
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🏚️ What if you woke up to find hundreds of luxury castles completely abandoned, as if the residents had suddenly vanished? In Turkey, the "Burj Al Babas" project features hundreds of Disney-style villas that now stand entirely hollow. This bizarre site in Turkey turned from a… pic.twitter.com/BIBLGjxyX7
— Neo World (@NeomMV) May 3, 2026
La ciudad abandonada de Burj al Babas ubicada en Turquía que está llena de casas que parecen castillos…
— El Club del Arte 🎨📷📚🖼🕍🎼 (@Arteymas_) October 13, 2025
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