【『写真があってよかった。 森山大道伝』】写真家・森山大道の半生を描く、 創作の原点に迫る初評伝

  • 文:瀧 晴巳(フリーライター)
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【Penが選んだ、今月の読むべき1冊】

『写真があってよかった。 森山大道伝』

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大竹昭子 著 新潮社 ¥3,630

森山大道と著者との出会いは1980年代に遡る。高校を中退した孤独癖のある青年が紆余曲折あって細江英公の助手になり、三島由紀夫の『薔薇刑』の現場に参加。瓶詰めの胎児を撮った『無言劇』で写真家として文字通り産声をあげ、『ヨコスカ』で独自のストリートスナップの世界を切り拓く。撮りたいものを撮りたいように撮るしかできない。粗い粒子とブレた構図。武骨さもそのままに我が道を貫き、長いスランプを経ていまに至るまでの創造の軌跡を、戦後日本の写真史と重ね合わせ貴重な証言で掘り下げた初の評伝。