ワールドカップの熱気が街に残る2026年7月31日、新宿駅東口に「アディダス ブランドコアストア 新宿 フットボールカルチャー」がオープンした。アディダス ジャパン初となる、「フットボール×ライフスタイル」をテーマにしたコンセプトストアだ。
創業以来、フットボールとともに歩んできたアディダス。新店舗が提案するのは、ユニフォームを競技着としてだけでなく、日常のファッションとして楽しむ新しいスタイルだ。近年はユニフォームを街着として取り入れる「ブロークコア」が広がるなど、フットボールは競技の枠を超え、ファッションカルチャーの一つとしても注目を集めている。そんな新しい楽しみ方を発信する拠点として、この店舗は誕生した。
商品はECや取扱店でも購入できる。それでもアディダスが新宿に新たな直営店を構えたのはなぜなのか。アディダス ジャパン リテール副社長の小西慶子に、その狙いを聞いた。
ブランドを、自分たちの言葉で伝えていく
アディダスは日本に87店舗の直営店を持っている。小西は直営店を“ブランドを自分たちの言葉とサービスで正しく体験してもらう場所”と説明する。
「ただ売り上げをつくり、利益を上げられればいいという話ではありません。それなら、売れるものだけを置けばいいということになってしまいます。ブランドが伝えたいメッセージを、自分たちの言葉でお客様に直接理解していただくための大事な場所だと捉えています」
「コロナ禍のように実店舗を開けられず、ビジネス的に難しい時期もありました。それでも、新宿東口という商圏で、アディダスはいつもここにある。いつでも来ていただき、商品を手に取って見られる。その場所は大事に守っていきたいと思っています」
そうした考えを象徴するのが、新店舗の向かいで14年間営業を続ける既存店「アディダス ブランドコアストア 新宿」だ。多くの来店客を集める店舗へと成長し、手狭になってきたことも、このほど2店舗目を出店するきっかけのひとつだった。
“サッカー専門店”ではない気軽さ
では、なぜいま“フットボールカルチャー”なのか。その狙いを、小西は次のように語る。
「サッカーをやってきた人にとって専門店は夢のような場所ですが、これまでサッカーが身近でなかった方の中には、そこでユニフォームを選ぶのはハードルが高いと感じられる方もいらっしゃるかもしれません」
「今回のワールドカップを見て、『日本人選手はすごい』『かっこいい』と関心を持った方は多いと思います。そして、酷暑に向く機能素材でありながら、色やデザインを楽しむ服として取り入れられるユニフォーム。新しいお客様に『こんな着方もありなんだ』という広がりを提案したいと考えました」
日本代表や海外で活躍する選手への注目に加え、ユニフォームをファッションとして楽しむ“ブロークコア”の広がりも、新たな店舗づくりを後押しした。
その考えは、店内の売り場づくりにも表れている。入口正面では各チームのユニフォームと、それに合わせるボトムスを並べて展開。サッカーに詳しくない人でもコーディネートをイメージしやすく、気軽に手に取れる工夫が施されている。
ユニフォームなどの“フットボール”のアイテムと、それに組み合わせるボトムスやシューズを含む“アディダス オリジナルス”を同じ売り場で提案する店舗は、世界のアディダス直営店でも今回が初めてだという。その背景には、日本の顧客の購買行動があった。
「お客様の購買を見ると、日本ではフットボールのユニフォームなどを買う際に、オリジナルスの商品も一緒に購入するお客様の割合がかなり高かったんです。それなら、両方を一緒に提案できる実店舗にはチャンスがあるのではないかと考え、今回の出店に踏み切りました」
また小西は、日本人には海外のカルチャーを取り入れ、新たなスタイルへと発展させるファッション感覚があることに注目している。
「今度はフットボールを切り口に、日本から新しいスタイルを発信していけたらと思っています」
なおオープン記念として、購入したフットボールユニフォームのカスタム体験が行えるイベントを8月9日まで期間限定で開催している。同店でユニフォームを購入後、特設スペースで豊富なデザインシールを使い、自分だけの一着にカスタマイズ可能。さらに、カスタムしたユニフォームを着て記念撮影も楽しめる充実ぶりだ。
新宿に根付き、ブランドの歴史を次世代へつなぐ
新宿を選んだ理由について、小西は、単に駅の利用者が多いからではないと説明する。
「新宿は昔からスポーツ用品を買いに来る街です。渋谷や原宿にはそれぞれ商圏としての特徴がありますが、新宿は幅広い世代のお客様がバランスよく訪れます。インバウンドのお客様も多い一方で、私たちのデータでは、新宿は日本に住んでいるお客様が特に多いことも見えています」
「ブランドとして長くその場所に根付き、地域に密着していくためには、日本に住んでいる方にリピーターになっていただくことが大切です。ECが発展しても、学校帰りに部活の仲間と集まり、『あそこに行ってみようぜ』とワイワイ楽しんでもらえる。そういう光景を見るのが、私たちにとってもうれしいんです」
直営店が伝えていくブランドのメッセージには、アディダスのオリジンを次の世代に伝えることも含まれている。
「私たちは自分たちの会社の歴史を知っていますが、いまの12歳や18歳、大学生が、例えば“スタンスミス”や“サンバ”が流行った時代を知っているとは限りません。私たちが知っているから当たり前という前提を外して、次の世代にアディダスというブランドの成り立ちや、フットボールにルーツがあることを正しく伝えていく必要があります」
「それを正しく伝えられることが、ブランドをしっかりと理解したスタッフが直接サービスを提供する直営店の強みだと思います」
フットボールを競技として支えてきた歴史と、日常のファッションとして楽しむ新たな可能性。その両方を自分たちの言葉で伝え、街に「いつもここにある」場所をつくる。アディダス初となるフットボール×ライフスタイルのコンセプトストア「アディダス ブランドコアストア 新宿 フットボールカルチャー」が誕生した理由は、そこにあるのだろう。
アディダス ブランドコアストア 新宿 フットボールカルチャー ユニフォームカスタムキャンペーン
住所:サナギ 新宿イベントスペース
東京都新宿区新宿3-35-6
開催期間:2026 年 7 月 31 日(金)~8 月 9 日(日)
営業時間:11時~21時
アディダス ブランドコアストア 新宿 フットボールカルチャー
住所: 東京都新宿区新宿3-37-11 安与ビル 1F & 2F
営業時間:11時〜21時
TEL:03-6457-8370
www.adidas.jp