景観が損なわれる… 娘のために我が家を“バービーハウス”に改装、鮮やかすぎるピンクに反発の声

  • 文:宮田華子
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写真はイメージ(ShutterStock)

自宅を自分好みに彩ることは、当たり前の権利である。しかしその表現が街並みの中で際立った存在になったとき、それは「自分の家」だけの問題ではなくなる。そして周囲との価値観の違いが思わぬ摩擦を生むこともある。

スコットランドで映画『バービー』を思わせる鮮やかなピンク色の住宅が話題だ。家族のために始めた住まいづくりはSNSで大きな注目を集める一方、近隣住民から厳しい視線も向けられた。そして国内メディアが相次いで取り上げる出来事となった。

娘たちへの思いから始まったリフォーム 

この「バービーハウス」があるのは、スコットランド・カールーク(イギリス)。この家の持ち主であるニコール・ワットは、8歳の娘アリアと、5歳の双子アリンとアイダという3人の娘の母親だ。娘たちが毎日を楽しく過ごせる空間をつくりたいと考え、自宅の外観をピンクを基調としたデザインへ改装した。

外壁や前庭の装飾品、ペイント等をピンクの世界観に統一し、映画や人形で知られる「バービー」を思わせる住まいを完成させたという。

改装には約5000ポンド(約100万円超)を投じ、家族で時間をかけながら少しずつ理想の形へ近づけていった。完成後の様子をSNSで公開すると、「夢のある家」「子どもたちが幸せそう」といった反応が寄せられ、多くのユーザーが家族の挑戦を温かく受け止めた。

広がった共感と、近隣からの反発

一方で、住宅街に現れた鮮やかな外観は、すべての住民に歓迎されたわけではなかった。「周囲から浮いて見える」「街並みとの調和が損なわれる」といった不満が聞かれ、住宅の資産価値への影響を心配する声まで上がったという。 

これに対しワットは、改装はあくまで家族のためであり、近隣に迷惑をかける意図はなかったと説明。また、自宅をどう整えるかは所有者の自由だとして理解を示す人も少なくなく、SNSでは応援のコメントも相次いだ。住宅の外観をめぐる議論はさらに広がり、「個性を尊重すべき」とする意見と「地域との調和も重要」とする考えが交錯する結果となった。

注目を集めた後の家主の行動

ワットは批判を受けたものの、住まいへの考え方を変えることはないようだ。

議論は続いているものの、彼女は家をそのままの状態にしている。そして「バービーハウス」は現在も変わらぬ「超ド派手なドリームハウス」のまま人々の関心を集めている。

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「バービーハウス」を取材した映像。鮮やかなピンクは、周囲からは確かに浮いている。

宮田華子

ロンドン在住ジャーナリスト/iU情報経営イノベーション専門職大学客員教授

アート・デザイン・建築記事を得意とし、さまざまな媒体に執筆。歴史や潮流を鑑み、見る人の心に届くデザインを探すのが喜び。近年は日本のラジオやテレビへの出演も。英国のパブと食、手仕事をこよなく愛し、あっという間に在英20年。

宮田華子

ロンドン在住ジャーナリスト/iU情報経営イノベーション専門職大学客員教授

アート・デザイン・建築記事を得意とし、さまざまな媒体に執筆。歴史や潮流を鑑み、見る人の心に届くデザインを探すのが喜び。近年は日本のラジオやテレビへの出演も。英国のパブと食、手仕事をこよなく愛し、あっという間に在英20年。