【スーパーSUVのデザイン】ランボルギーニ「ウルスSE ペルフォルマンテ」が放つ、一目でわかる“すごみ”

  • 文:小川フミオ
  • 写真:Automobili Lamborghini
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スタジオで公開されたウルスSEペルフォルマンテ。写真:筆者

ランボルギーニが800馬力超のSUV「ウルスSE ペルフォルマンテ」を、2026年7月1日に発表した。“スーパーSUVのカタチはかくあるべし”とうたわれる、デザイナー渾身のデザインも大きな注目点だ。

ランボルギーニ SUV「ウルスSE ペルフォルマンテ」
彩度の高いボディカラーに炭素樹脂の素材を見せるデザインスキームが採用されている。

市場でのパイが大きくなっているスーパーSUV。その先駆けともいえるウルスを開発したランボルギーニが、いまなにを考えてデザインしているか。興味をひかれるところだ。

ウルスはご存知のとおり、ランボルギーニが手掛たるSUVで、特徴といえば、高性能と類のないデザイン。

「ウルスは、40年前に私たちが手掛けた伝説的なスーパーSUVの元祖LM002の系譜に位置づけられるモデルです。今回のウルスSEはその流れに沿って究極の一台として開発しました」

アウトモビリ・ランボルギーニのステファン・ヴィンケルマンCEOは、このモデルの発表に合わせて説明する。

「デザインの見どころは、一目で(高性能の究極的なスーパーSUVという)内容がわかる点にあります」

ランボルギーニ LM002
スーパーSUV(当時はスーパー4WD)の先駆的存在のLM002。写真:筆者

現行の「ウルスSE」はエレガンスとスポーティさをバランスさせたフロントマスク……と前置きしたのは、ディレクターオブデザインのミティア・ボルケルト氏。

私がボルケルト氏に会ったのは、ランボルギーニ本社近くの撮影スタジオ。そこで秘密裏に、発表前のこのクルマを見ることができたのだった。

ランボルギーニ ボルケルト
スタジオでウルスSEペルフォルマンテの説明をするボルケルト氏。

「今回のウルスSEペルフォルマンテは、アドレナリンをかたちにする、という私たちのデザイン哲学に則ってデザインしました」

具体的には、Sダクトを採用した深いエアダムと、車体各所で使われる炭素樹脂、それに大型のリアスポイラーなどを強調している。

ランボルギーニ SUV「ウルスSE ペルフォルマンテ」
スポイラーやアクラポビチ製マフラーなどで“武装”。

「パフォーマンス志向を強調するため、エモーショナルなインパクトと、性能をかたちとして見せることに努めました」

彩度の高い黄系「ジャロクリウス」なる専用外板色と、フロントやボンネットやリアなど要所要所にブラックとカーボンファイバーの素材を配した車体。

コントラストの強い2トーンの塗り分けだけでも、かなり強いインパクトだ。 

ランボルギーニ SUV「ウルスSE ペルフォルマンテ」
ゴツいという印象があるけれどじつは流麗なシルエットがウルスの特徴。

ランボルギーニのデザインが語られるとき、必ず出てくる単語が「DNA」。実際のところ、それはデザイナーにとって、いかなる意味を持っているのだろう。

「期待値と関係の深い言葉です。市場を失望させたくない、と私たちは常に考えています」

ボルケルト氏は言う。

「新しい、でもランボルギーニだ、と思ってもらえるデザインが、私たちが目指しているものです」

ランボルギーニ LM002
LM002(1986年)は砂漠の産油国もターゲットに開発された。

冒頭に引用したヴィンケルマンCEOの発言にあったLM002という往年のモデルとは、さすがにデザイン的な接点は見当たらない。

ただし、ボルケルト氏がランボルギーニのチェントロスティーレ(デザインセンター)に就任した2016年から、折りに触れてデザインコンセプトが送り出されてきた。

斬新なデザインなのだが、歴年のモデルをミュージアムで並べて眺めると、コンセプトに筋が通っているように感じられる。 

ランボルギーニ ウルス プロトタイプ
ウルスのプロトタイプをみるとかなり練り込んだデザインコンセプトだったことがわかる。

「年々の進化」とボルケルト氏は言う。別の言い方をすると、時間をかけて、受け手にランボルギーニ・デザインが浸透していったということだろうか。

今回のウルスSEペルフォルマンテでも、同様のことが言えそうだ。

2017年に登場してから、いや、12年にコンセプトとして発表されてから、基本形は維持しつつ、よりパフォーマンス志向を強める市場に合わせてうまくアップデートされている。

ランボルギーニは高性能版を表すサブネームをいくつか使っている。

ランボルギーニ SUV「ウルスSE ペルフォルマンテ」コクピット
ドライバーオリエンテッドなコクピットは従来からコンセプトを継承。

有名なのは「ミウラ」で知られた「SV(スーパーベローチェ)」で、今回の「ペルフォルマンテ」(英語でパフォーマンス)もそのうちのひとつだ。

ランボルギーニ SUV「ウルスSE ペルフォルマンテ」8気筒エンジン
デザインされている8気筒エンジンがフロントに収まる。

かつて「ウルス ペルフォルマンテ」(22年から24年)もあったが、今回は4リッターV8エンジンにプラグインハイブリッドシステムを組み合わせた点が特徴。

ウルスSEペルフォルマンテの最高出力は596kW(イタリア式だと812CV)で、最大トルクは1000Nm。かつてのウルス・ペルフォルマンテ(490kW)より、かなり出力が上がっている。

車体は32kgの軽量化がはかられていて、性能は、静止から時速100kmまでの加速に3.3秒とかなりの俊足。

ランボルギーニ SUV「ウルスSE ペルフォルマンテ」リアシート
空間的余裕はたっぷりあり仕上げはほぼフルオーダー。

今回、ドライブモードに、オフロード用の「ラリー」が設けられている。「行く人はいないでしょうが」と、ランボルギーニのイタリア人広報担当者はほほえんでいた。

一方、新しいダンパーをサスペンションシステムに組み入れるなどして、乗り心地のよさも追求されている。

「ウルスは、日常的な使い勝手もよさも提供します」と、ヴィンケルマンCEOはウルスSEペルフォルマンテのマルチパーパスぶりにも言及。

ランボルギーニ SUV「ウルスSE ペルフォルマンテ」
ペルフォルマンテはラリーモードも装備。

このすごさを日常的に味わえるのが、ランボルギーニならではの特徴なのだ。

Lamborghini Urus SE Performante

全長×全幅×全高:5117×2031×1638mm
ホイールベース:3003mm
車重:2473kg
3996cc V型8気筒プラグインハイブリッド 全輪駆動
システム最高出力:596kW
システム最大トルク:1000Nm
変速機:8段オートマチック
乗車定員:5名
加速性能:0-100kph 3.3秒
最高速度:312kph
価格:未定

小川フミオ

モータージャーナリスト

自動車を中心に活躍するジャーナリスト/ライター。自動車誌やグルメ誌の編集長を務めた後、フリーランスとして活動。新車の試乗記をはじめ、グルメ、ホテル、人物インタビューなど、多岐にわたるジャンルの記事を独自の視点で執筆し、雑誌やウェブメディアを中心に寄稿している。

小川フミオ

モータージャーナリスト

自動車を中心に活躍するジャーナリスト/ライター。自動車誌やグルメ誌の編集長を務めた後、フリーランスとして活動。新車の試乗記をはじめ、グルメ、ホテル、人物インタビューなど、多岐にわたるジャンルの記事を独自の視点で執筆し、雑誌やウェブメディアを中心に寄稿している。