「ホラー映画のオープニング」「開けないほうがいい」…築154年の元教会にあった“開かずの間”、その正体とは?

  • 文:宮田華子
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開かずの間
写真はイメージ(ShutterStock)

窓の向こうには部屋が見える。しかし、建物の中からはどうしてもたどり着けない──。米ニューヨーク州で1872年建造の教会を購入したローレン・ガンダーマンとパートナーが発見した「開かずの間」が、SNSで大きな話題となっている。

外から見える部屋へ、どうしても入れない

ガンダーマンは2023年12月、ニューヨーク州ウォータービルにある1872年建造の元教会の建物を購入した。現在はパートナーとともに、結婚式や各種イベントに利用できる施設へと生まれ変わらせるプロジェクトを進めており、その改修の様子をSNSで発信している。

注目を集めたのは、この建物の「ある不思議な点」を取り上げた投稿だ。外観からは上階には窓があり、その奥には部屋らしき空間が存在するのが見える。しかし、内部を調べても、その場所へ続く扉や階段、通路が見当たらないのである。

ふたりは壁の裏側や屋根裏なども確認し、隠し扉の存在を探ったものの成果は得られなかった。動画には、建物内を歩き回り、部分的に内部を壊して入口を探す様子も収められているが、現在まで「開かずの間」へ足を踏み入れることはできていない。

専門家からの意外なアドバイス

不可解な空間の存在はSNSで急速に拡散され、コメント欄には「明らかに幽霊がいる」「ホラー映画のオープニングそのもの」「その部屋だけは開けないほうがいい」といった反応が続々と寄せられた。歴史ある教会という舞台設定も手伝い、さまざまな憶測が飛び交うことになった。

そんななか、有力な手掛かりを示したのがオルガンの専門家たちだった。彼らによると、この空間はかつてパイプオルガンの点検や整備に使われていた「オルガン室」である可能性が高いという。さらに、教会が電化された際の改修工事で出入口が塞がれ、現在のように外からしか確認できない構造になったのではないかとの見方も示された。

これが現時点でもっとも合理的と考えられている仮説ではあるものの、決定的な証拠が見つかったわけではない。ガンダーマン自身もまだ「開かずの間」へ到達できておらず、その内部がどのような状態なのかは依然として分かっていない。

真相は、いまも壁の向こう側に

「開かずの間」のSNS動画は現在までに約19万4000もの「いいね!」を集めている。

古い建築物では、増改築や設備更新によって本来の動線が失われることは珍しくない。それでも、入口の見当たらない部屋を目の前にすると、人々の想像力は建築史だけでは説明できない方向へ広がっていく。

壁の向こうに残されているのが歴史の痕跡なのか、それとも別の答えなのか? そしてガンダーマン自身が「開かずの間」へたどり着けるのか? 多くのフォロワーが続報を待ち続けている。

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「開かずの間」について紹介した動画。ガンダーマンの「なんとか行きつこう」とした挑戦がわかる。

宮田華子

ロンドン在住ジャーナリスト/iU情報経営イノベーション専門職大学客員教授

アート・デザイン・建築記事を得意とし、さまざまな媒体に執筆。歴史や潮流を鑑み、見る人の心に届くデザインを探すのが喜び。近年は日本のラジオやテレビへの出演も。英国のパブと食、手仕事をこよなく愛し、あっという間に在英20年。

宮田華子

ロンドン在住ジャーナリスト/iU情報経営イノベーション専門職大学客員教授

アート・デザイン・建築記事を得意とし、さまざまな媒体に執筆。歴史や潮流を鑑み、見る人の心に届くデザインを探すのが喜び。近年は日本のラジオやテレビへの出演も。英国のパブと食、手仕事をこよなく愛し、あっという間に在英20年。