スバル新型「レヴォーグ レイバックS:HEV」がターボダクト廃止。“漢らしい”デザインはどう変わった?

  • 文:小川フミオ
  • 写真:SUBARU
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ハイブリッド搭載とともにデザイン変更を受けたレヴォーグ・レイバック。(写真:筆者)

スバルが2026年夏に発表した「レヴォーグ・レイバックS:HEV」。燃費とパワーに優れるハイブリッド・パワーユニット搭載とともに、デザイン変更も注目点だ。

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カーブとふくらみを活かした面で構成される車体は質感が高い。写真:筆者

レヴォーグ・レイバック(以下レイバック)は、スバルが得意としてきたステーションワゴンスタイルをベースに、オフロードテイストを加味したクロスオーバー。

一般的なSUVと異なるこのモデルのメリットは、低めの車高ゆえ、エレガントさを感じさせるスタイル。乗降性がよく、かつ奥行きのある荷室も使いやすく、機能性でもレベルが高い。

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全高は1550mmでSUVとステーションワゴンのクロスオーバーといえるデザイン。

「デザインって面白い」と感じさせる、もうひとつの特徴が、新しいレイバックS:HEV(ストロングハイブリッド)にはある。

それは従来のレイバックと一線を画すボンネットだ。スバルのデザイナーが言うところの「ターボダクト」が廃止されたのだ。

スバルが最初にターボダクトを採用したのは1982年だから、ほとんどトレードマークのようなもの。いまはターボチャージャーを装着していないクルマを探すのはかなり難しいが、当時は特別な存在だった。

ターボダクトやバンパー下の深いエアダムやオーバーフェンダーは、リアスポイラーと並んで、スポーツモデルの象徴だったのだ。

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ハイブリッドモデルはボンネットにターボダクトをもたないのがニュース。 

「ターボダクトは、女性ユーザーから、非常に不評だったので……」

レイバックS:HEVにおけるターボダクト廃止の理由を語るのは、このクルマの開発を指揮した、商品革新本部スポーツ車両企画室の小林正明氏。

「スバル車って“漢(おとこ)”ってイメージですよね」と、かつて筆者に感想を述べた広告代理店の女性がいた。

プロダクトデザインにおいて、対象をしぼりこんでいくと、ターゲットに深く届く一方、市場で期待以上の広がりは見込めない(ことが多い)。

スバルでは、これからレイバックのラインナップの拡大を検討中という。デザインには多様性をもたせ、プロダクトポリシーにおいて妥協できるところは妥協しようというマーケティングなのだ。 

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荷室は広そうだがリアクォーターウインドウの形状とフェンダーのキャラクターラインで軽快感をうまく出している。

はたして、レイバックS:HEVの印象は、エレガントさが強くなった。

フロントグリルの意匠など、女性も広くターゲットに加えるには、もう少し課題が残っているようには思うが、従来のデザインアイデンティティを放棄してしまうのは危険だ。

スバルらしさ、レイバックらしさを維持するには、当面このあたりが限度なのかもしれない。 

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素材といい色づかいといい質感が高く感じられるインテリア。

色づかいを含めたインテリアデザインの多少の見直しとか、会話型コマンドやAIエージェントの搭載など、クルマの“パートナー化”も課題として残る。そこも筆者は楽しみにしている。

走りは、いい意味でスバルらしさがしっかり残っている。

プロトタイプとされる車両をテストドライブしたコースは、スキー場として人気の白馬村。うさぎ平テラスにいたる細いワインディングロードの一部区間を貸し切り状態で、レイバックS:HEVに乗れた。 

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サスペンションに手が入って全高が下げられた。

2.5リッター水平対向4気筒エンジンに、スバルいうところの「ストロングハイブリッド」システムを組み合わせたのが、レイバックS:HEVの特徴。

バッテリー駆動のモーターの作動範囲が広い。おかげで、きついカーブの手前でブレーキングして、エンジン回転数を落としても、モーターの介助で再加速にもたつくことはない。

加えて、駆動システムも功を奏している。電気モーターで後輪を駆動するのではなく、従来のガソリン車と同じく物理的なプロペラシャフトで前後輪をつないでいるのがこだわり。

「常にトルクがかかっているプロペラシャフトは、アクセルペダルが踏み込まれた際、瞬間的に後輪に駆動トルクを伝達することができます」

前出の小林氏は、「シンメトリカル4WD」と呼ぶ、機械的な4輪駆動システムへこだわりを語る。

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ハイブリッドシステムと4輪駆動方式の恩恵でワインディングロードも軽快に走れる。

ドライブしたのは、かなり特殊な条件の山道だけだったので、総じての印象は語れないのだけれど、操舵感は、レイバック1.8ターボより少しマイルド。こちらを好むドライバーも多そうだ。

マイルドといってもダルでなく、カーブが連続する道を気持ちよく登り下りできたのは、よい経験だった。

実はレイバックS:HEVは、1.8ターボに対して全高が20mm下げられている。最大の理由は市街地でのタワー式駐車場対策という。

同時に「重心高が下がったので操縦安定性が上がった」(小林氏)と走りにおけるメリットが強調されている。

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空間的余裕がたっぷりある後席。

「大切にしたことはお客様の期待に応えること」とスバルでは言い、中心は、「よいものを安く」と「少しでも早く」だったそうだ。

装備をやや簡素化した「レヴォーグ・レイバック・プレミアムブラックS:HEV」は424万6000円。装備が豊富な「レヴォーグ・レイバック・プレミアムS:HEV」は452万1000円。 

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荷室容量は429リッターが確保されている。

SUBARU LEVORG LAYBACK Premium Black S:HEV EX

全長×全幅×全高:4735×1820×1550mm
ホイールベース:2675mm
車重:1690kg
2498cc4気筒ハイブリッド 全輪駆動
最高出力:118kW+88kW(モーター)
最大トルク:209Nm+270Nm(同)
乗車定員:5名
燃費:19.0km@l(WLTC)
価格:¥4,246,000
www.subaru.co.jp

小川フミオ

モータージャーナリスト

自動車を中心に活躍するジャーナリスト/ライター。自動車誌やグルメ誌の編集長を務めた後、フリーランスとして活動。新車の試乗記をはじめ、グルメ、ホテル、人物インタビューなど、多岐にわたるジャンルの記事を独自の視点で執筆し、雑誌やウェブメディアを中心に寄稿している。

小川フミオ

モータージャーナリスト

自動車を中心に活躍するジャーナリスト/ライター。自動車誌やグルメ誌の編集長を務めた後、フリーランスとして活動。新車の試乗記をはじめ、グルメ、ホテル、人物インタビューなど、多岐にわたるジャンルの記事を独自の視点で執筆し、雑誌やウェブメディアを中心に寄稿している。