北海道・帯広を訪れたら、世界で唯一の「ばんえい競走」へ。開拓の歴史と浪漫に出合う旅

  • 写真・文:鈴木修司
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ビームスジャパンの鈴木修司です。今月の旅先は、北海道は帯広市。広大な十勝地方ですが、その中心の帯広に大切な用事があって、まずは「とかち帯広空港」に到着です。

「帯広競馬場」でしか見られない“ばんえい競走”

空港に降り立って間もなく私を迎えてくれたのは、今回のお目当てである“ばんえい競走”の主役である“ばん馬”。とは言っても精巧に作られた模型です。模型と侮れず、おそらく等身大の大きさでつくられているので、のんびりとした空港内での存在感は抜群。これから出会えるであろう本物への期待感がぐんと上がります。 

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とかち帯広空港に飾られている「ばん馬」の模型。

私が説明するまでもなく、“ばんえい競走”とは、通常の競馬などで見るサラブレッド種とは違って体重1,000kg前後の大型農耕馬が、騎手と重量物を載せた鉄製ソリを曳き、早さを争う馬の競走です。そして、日本のみならず世界的に見ても、「帯広競馬場」でしか見ることのできない、まさに北海道の開拓の歴史と文化、そして浪漫が詰まった、唯一のとても貴重な場所なのです。

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「帯広競馬場」の入場口。
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馬が曳く鉄そり。

数年前にテレビのドキュメンタリー番組で見て以来、ずっと憧れていたところでしたが、やはり現場での迫力は段違いです。“にわか”の私が語るのもおこがましいのですが、力みなぎるばん馬の呼吸や体温をすぐ傍に感じ、真剣勝負だからこそのレース場に張り詰める緊張感、ダートコースを疾走する重厚な足音、鉄ソリや馬具から鳴り響くこれまた重厚な金属音が重なり、加えて馴染みの来場者による声援や嘆息、すべてが相まってなんとも言えない魅力的な場所でした。  

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通常の競馬とは異なる迫力のばん馬。
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レースの様子。力強いばん馬の走りは圧巻だ。

その場において、あまりにも惹かれてしまい、結局は日中からナイターまでぶっ続けにレースを楽しませていただきました。ついでに紹介ですが、こちらの競馬場には、十勝名物の“ぶた丼”や、北海道名物の“ざんぎ(鶏の唐揚げ)”を頂ける食堂、“ばんえい”ならではのグッズやお土産が購入できる売店が併設されています。そして、場外には“ばんえい”の歴史文化を知れる博物館、特産品が盛り沢山の産地直売所のようなものまで、レースの合間に暇することはない充実ぶりです。

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併設された食堂では地元グルメが並ぶ。

北海道の馬具メーカーが手掛ける革

話が長くなってしまったてますが、私とばんえいのご縁は、同じく北海道の馬具メーカー「ソメスサドル」さんがキッカケでした。日本を代表する馬具メーカーさんとの付き合いは古く、過去に何度もビームスのために特別な商品をつくっていただいていました。

そんな中で昨年に砂川にあるファクトリーを訪ねた時、ひょんな話題の中で紹介いただいたのがばんえいに使われる特別な革でした。1,000kgを超える巨馬が、それ相応の重量のソリを曳くわけですし、加えて真剣勝負の競争となれば、素人でも安易に想像出来る“堅牢さ”が必要です。それを体現するかのように、通常見られないような“厚さ”、見た目よりも機能を重視した“素朴さ”が魅力でした。そして、一般人が使用するようなものに使用したことがないという“希少さ”に一目惚れでした。間髪入れずにダメは元々で特別な企画提案をさせていただき、その時の興奮を昨日のことのように覚えています。

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ばんえいに使われる革でつくられた「ばんえいベルト」。

普段使いの(人間用の)ベルトととして無事に商品化でき、そんな嬉しいことはないので、その“お礼参り”としてコチラを訪ねたのでした。ついつい浮かれてコースの前で記念撮影までして、大満足です。

帯広市民のソウルフード

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「インデアン」のエビフライスパゲッティ。

少しお話が長くなってしまったので、最後についでの紹介です。帯広市内には名店が揃い踏みですが、私が特に推したいのは、帯広市民のソウルフードであろう「ふじもり」さんです。こちらのお店は、メニューが豊富で、味とサービスも素晴らしく(真緑の懐かしメロンジュース? が漏れなく付いてきます)、帯広駅すぐ目の前の好立地、非の打ちどころがないです。

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名喫茶「六花亭本店」。

今回は姉妹店(?)である「インデアン」のカレーがたっぷりのエビフライスパゲッティを頂きましたが、童心に返る、危険なおいしさです。そして、食後のお茶を頂くべく、言わずと知れた「六花亭本店」へ向かいます。残念ながら喫茶室は定休日でしたが、配送前提で沢山の銘菓を買い求め、その足で札幌行きの特急「とかち」に乗り込み、気分揚々と帯広を後にしたのでした。

鈴木修司

BEAMS JAPAN クリエイティブディレクター

1976年、三重県松阪市生まれ、ビームスと同い年です。年間120日近くを旅に費やし、日本各地の様々な場所で魅力的なモノ・ヒト・コトに関わる仕事をしています。肩書きは“BEAMS JAPAN”のクリエイティブディレクター、日本に関係することあれば比較的なんでも来いのスタンスです。大学などで講師を務めることも。『銘品のススメ』著者、『都道府県おでかけ図鑑』監修。

鈴木修司

BEAMS JAPAN クリエイティブディレクター

1976年、三重県松阪市生まれ、ビームスと同い年です。年間120日近くを旅に費やし、日本各地の様々な場所で魅力的なモノ・ヒト・コトに関わる仕事をしています。肩書きは“BEAMS JAPAN”のクリエイティブディレクター、日本に関係することあれば比較的なんでも来いのスタンスです。大学などで講師を務めることも。『銘品のススメ』著者、『都道府県おでかけ図鑑』監修。