【民謡クルセイダーズ新作】元ちとせら豪華ゲスト参加、“民クル節”全開の最新アルバム

  • 文:加藤一陽(編集者/ライター)
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【Penが選んだ、今月の音楽】
民謡クルセイダーズ 『日本民謡より愛をこめて』

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東京・福生を拠点に、ギタリスト田中克海と民謡歌手フレディ塚本を中心に結成。築70年を超える米軍ハウス「バナナハウス」をスタジオとして活動を開始し、クンビア、ビギン、ブーガルー、カリプソ、アフロビートなど、世界各地のリズムと日本民謡の融合を追求してきた。

ラテンやアフロなどのワールドミュージックと日本の民謡を融合させて世界的に評価を高めるバンド“民クル”こと民謡クルセイダーズが、3枚目のフルアルバムを完成させた。しかも本作は、北米ではジャズの名門レーベル・ブルーノートからの発売となる。その内容は、レーベルイメージとしてのジャズに過度に目配りするわけではなく、相変わらずの民クル節と民謡への愛があふれたものに。ドリフのオープニングの元ネタとして知られる北海道の「北海盆唄」や山形の「花笠音頭」など、各地で歌い継がれてきた民謡の持つ普遍的な魅力と新たな楽しみ方の両面を提案する楽曲が満載だ。

客演を見れば、これまでも共演してきたコロンビアのフレンテ・クンビエロが「花笠音頭」と富山の「こきりこ節」に参加。さらに島根の「しげさ節」では朝倉さや、鹿児島の「ワイド節」では元ちとせをフィーチャーした。民クルが自身の楽曲にほかの歌い手を迎えることは珍しく、ポップスと民謡の融合に取り組んできたふたりのシンガーを起用していることからも、いつもより少しだけ賑やかに、少しでも遠くまで自分たちの音楽と民謡の魅力をプレゼンテーションしようという意図が感じられる。

また、たとえば「しげさ節」はエボ・テイラーの「Love and Death」のトラックを土台にしている点や、「花笠音頭」がクンビアの名曲「Cumbia En Do Menor」と組み合わされている点など、好事家的・多角的に紐解きながら楽しむ仕掛けがあるのも民クルらしい仕上がり。けれども、それもあくまで魅力の一部に過ぎないのがこのバンドの素敵なところだ。ただ単純に、町内会の盆踊りで味わうようなサウダージ感や高揚感を、より大きなステージでたくさんの人と共有しようとする姿勢が、今作においても一貫して伝わってくる。

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民謡クルセイダーズ『日本民謡より愛をこめて』ユニバーサル ミュージック UCCJ-2257 ¥3,300