
忙しない都市の日常に、ほんのわずかな“余白”を見つけることは、いまや簡単なことではない。だが、たった5分。火をつけ、煙を吐き出す。その行為のなかに、静かな豊かさを見出す人もいる。そんな「5分間」にあらためて光を当てる――。
喫煙所ブランド「THE TOBACCO(ザ・タバコ)」の東京都内にある3拠点で、2026年6月1日から6月14日までの2週間、喫煙者の“5分間”をテーマにした体験型展示『5min TOBACCO BREAK meets Ploom』が開催されている。

喧騒の街で見直す、“何もしない”時間の価値
展示を手がけるのは、喫煙所ブランド「THE TOBACCO」を運営するコソド。同社はこれまで、喫煙者が気持ちよく過ごせる場所と同時に、非喫煙者も安心できる街づくりに向き合ってきた。そこで着目したのが、「たばこを吸う5分間」という時間だ。
“ぼーっとしていい。何も生み出さなくていい。”
そんなメッセージに象徴されるように、この展示は生産性や効率とは無縁の時間を肯定する。
いまの都市において見過ごされがちな、あえて立ち止まるという行為。それ自体が、ひとつの価値として再提示されている。
空間ごとに異なる「5分間」の物語
展示は、丸の内・新宿・品川の3拠点で展開。それぞれのTHE TOBACCOの空間特性を活かしながら、“5分間”という共通テーマを違った表情で描き出している。
印象的なのは、壁面に散りばめられた「5分間トリビア」だ。
わずか5分のあいだに、世界では何が起きているのか。
誰かが歴史に名を刻み、どこかで新しい命が誕生する。
一服の煙とともに、そんな小さな驚きと時間のスケールを想像する。
単に“吸うための場所”ではなく、“時間を味わう場”へ。喫煙所の意味を静かにアップデートする試みと言えるだろう。

「インフラ」から「風景」へ。喫煙所の再定義
近年、法規制の影響もあり、喫煙できる場所は急速に減少した。そんな状況のなかでTHE TOBACCOが掲げるのは、喫煙所を単なる設備ではなく、“都市の風景”として捉え直すという視点だ。
煙を嫌う人と、必要とする人。その両者が、ゆるやかに共存する街のあり方。
今回の展示は、その理想を体験として提示する最初のステップでもある。
5分という最小単位が、都市の質を変える
日常のなかで、5分はあまりに短い。だが、その短さゆえに、意識しなければすぐに消えてしまう時間でもある。だからこそ、この展示は問いかける。
その5分を、どう過ごすのか。
何かを成し遂げるためではなく、自分に戻るための時間として。都市における“ひと息”の価値を見つめ直すこの試みは、喫煙の枠を超えて、現代のライフスタイルそのものに静かな示唆を与えている。
『5min TOBACCO BREAK meets Ploom』
2026年6月1日〜6月14日(※一部会場は6月21日まで)
・THE TOBACCO 2:50.76(東京都千代田区丸の内3-7-15)
・THE TOBACCO TOCHOMAE SECOND(東京都新宿区西新宿2-7-1 新宿第一生命ビル2F)
・THE TOBACCO 品川インターシティ(東京都港区港南2-15-2 R&S棟B1F)
入場:無料(成人喫煙者対象)
THE TOBACCO the-tobacco.jp/