【Penが選んだ、今月の読むべき1冊】
『エベレストは居酒屋です』
渡邊直子 著 講談社 ¥2,000
日本人女性として初めて8000m峰14座を全登頂した著者は、看護師として働きながら給料を注ぎ込み、ときには借金をしてまでエベレストに遠征する生活を10年以上続けてきた。意表を突く書名の理由は、人間関係の息苦しさや仕事の重圧から離れてエベレストで過ごすことで、本当の自分に戻れるから。記録のためではなく、楽しむため山に向かう。仕事終わりの居酒屋通いみたいなものなのだと。シェルパたちとネパール語で信頼関係を築き、過酷な環境でつかみ取った人生観は、のびのびとして自由で痛快だ。